オバマ、ブッシュ氏にあって、トランプ氏にない大統領として重要な資質
そして多くのCEOたちがトランプ大統領の発言後に背を向けたことで、彼はホワイトハウスのビジネス協議会を解散した。芸術とヒューマニティに関する大統領諮問委員会(Committee on the Arts and Humanities)メンバーは全員が辞任した。多くの慈善団体は、トランプ氏が所有するフロリダ州の「マール・ア・ラーゴ」リゾートでのイベントを中止したクリーブランド・クリニックに続いた。さらに、トランプ大統領への協力意思のあった複数の共和党議員たちも大統領を痛烈に非難している。例えば、テネシー州選出のボブ・コーカー(Bob Corker)上院議員は17日、大統領の「国家の特性(character of the nation)」に対する理解が伝わっていないと発言した。
ホワイトハウスは20日、12月に行われる「ケネディ・センター名誉賞」を祝福するイベントにトランプ大統領夫妻が欠席し、「受賞者が政治問題に気を削がれることなくお祝いできるようにする」と発表した。一部の受賞者は、式典の一環として慣例となっているホワイトハウスでのレセプションに欠席する意向を表明していたのだ。
シャーロッツビルの危機以降、共和党とホワイトハウスの多くの人が揺れ動く中、大統領自身は、ニュージャージー州ベッドミンスターにあるゴルフクラブから18日開催の国家安全保障会議出席のためにキャンプデービッドに向かい、その後、ゴルフクラブに戻っていた。その2日目、トランプ大統領は一般の前に一切姿を現さず、19日には公式の予定を入れなかった。
そしてまたもや、トランプ大統領は自身の考え方を示すのにTwitterフィード任せにした。17日に南部連合のモニュメントに対する支持を表明したのち、翌日のメッセージには国の強い安全保障に向けた必要性のメッセージのほか、支持者たちは大統領を見捨てていないと改めて発言した保守派のトークショーホストのリツイート等が掲載された。
多くのアメリカ人の怒りを買い、被害者の母親ブロのコメントにつながった15日の記者会見に関して、トランプ大統領は後悔の念を明らかにしていない。スティーブ・バノン元主席戦略官は 、トランプ大統領の発言を政治的に巧みな表現として支持した数少ない人物の1人だった。トランプ大統領の「アメリカファースト」の衝動を共有し、和を乱す人物だったバノン氏は18日に解任された。
いずれかの時点でのトランプ大統領によるシャーロッツビル訪問があるか否かについて、ホワイトハウスは何もコメントしていない。
政権メンバーの中には、大統領の通常の役割に踏み込もうとした人もいた。レックス・ティラーソン国務長官は18日、人種差別主義は「悪」であり、「憎悪はアメリカの価値とは相いれない」と語った。
大統領就任間もない頃、トランプ氏自身がいかに対立を引き起こす人物であるかを示す事例がある。そして、最も厳粛な瞬間でさえ、彼にとってはうまく相手に手を差し伸べるのが困難であるかを示す例もある。