大阪2位 「世界の住みやすい都市」ランキング 日豪NZが上位に

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◆ヨーロッパは医療スコアを落とす
 反対にヨーロッパとカナダの都市では、前回からの下落が目立った。EIUは、パンデミックによって医療リソースがひっ迫したことが大きく影響したと見ている。最大の下落幅となったのはチェコのプラハで、100点満点中13.5ポイントを失っている。下落率2位は厳格なロックダウンを経験したロンドンとドイツのフランクフルトで、共に13.2ポイント減となった。これに続くオーストリアのウィーンは、前回は99.1点という高スコアで首位を占めたものの、今年は12位とトップ10圏外に沈んだ。ランクを大きく下げた都市のほとんどは医療スコアの不振を原因としており、パンデミックの色濃い影響が伺える。

 EIUでグローバル・チーフ・エコノミストを務めるサイモン・バプティスト氏は、米ニュース放送局のCNBC(6月8日)に対し、トップ10に限らずランキング全体が新型コロナウイルスの影響を受けて大きく変化したと説明している。ロックダウンを実施した都市や、感染者数が跳ね上がった都市などがスコアを落としており、結果としてヨーロッパの多くの都市で順位の低下が見られるという。

 なお、パンデミックの影響を受け、世界の平均スコアも大きく低下している。2007年から2019年までは平均スコアが74点から77点の範囲に収まっていたが、本年の調査では平均約69点となった。

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Text by 青葉やまと