中国からの謎の郵便物、電話の正体は? 日本にも忍び寄る魔手
◆アマゾンも欺ける? 実は偽レビューのための詐欺
多くの人々を困惑させる種入り郵便物だが、実はブラッシング・スキャム(Brushing Scam)と呼ばれる、詐欺の一種という説が濃厚だ。この詐欺は、オンラインショッピングサイトで売り手が自分の商品にポジティブな偽レビューを書くために利用される。
米ローカル局WHNTが解説する詐欺の仕組みによると、レビューを書けるのは商品を実際に購入した人のみで、売り手が勝手に書き込むことはできない。アマゾンなどの大手では、データが正しいかどうかを確認しているし、住所や商品の届け先を追跡し、詐欺師が偽の届け先に商品を送れないようにしているという。
そこで、売り手側は実在の人物の住所を見つけだし、オンライン上で偽のアカウントを作成し、商品を購入する。そしてそういった危険に気づかない人々に実際の商品や、ときには種のように売り物とはまったく別のものを勝手に送りつける。商品追跡システムで配達完了が確認された後、売り手は購入者を装って本人としてレビューを書き込む。利用された人は自分の名前、住所だけでなく、電話番号やパスワードまで知られている可能性もあり、ひとたび流出すれば、その情報はたくさんの不正な事業者に利用されてしまう恐れもある。
偽のオンラインレビューは、不正を働く業者が受ける恩恵の一部でしかない。ブラッシング・スキャムを使うことで、うわべの販売数を増やすこともできる。結局のところ、商品を購入してもその代金は売り手の懐に戻るだけなので、彼らは費用を使うことなく、販売数を水増しして会社が好調だと見せかけ、さらなるセールスに結びつけることができるという。
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