中国からの謎の郵便物、電話の正体は? 日本にも忍び寄る魔手

U.S. Department of Agriculture / flickr

 注文した覚えのない植物の種が届いたという報告がアメリカで多発している。ほとんどが中国から発送されたものだ。有害な種である可能性もあり、米農務省(USDA)は受け取った人に対し、種をまいて育てないよう呼びかけている。一方、種自体に意味はなく、他人の情報を悪用した詐欺の一種だという見方もあり、ミステリアスな贈り物に全米が困惑している。

◆中国の策略? 種はバイオテロかも
 CBSニュースによれば、全米の50州すべてで、不審な種が入った郵便物を受け取った人が確認されている。送りつけられた種は害虫や病原体などを含む外来種であることも考えられるため、米中関係悪化も手伝い、バイオテロではないかという噂まで出ている。

 ヴァージニア州の農務当局は、外来種は環境上の大災害をもたらすと訴える。在来種の植物や昆虫を駆逐し、作物に大きな被害を与えるとし、侵入を防ぐには適切な対策が必要だと主張している。テキサスの農務当局は、新型コロナを意識してか、バクテリアやウイルスが含まれる可能性にも言及している(CBS)。

 USDA動植物検疫局では、不審な種を受け取った場合は絶対に育てようとせず、種を密封した状態で届いたパッケージごとUSDAに郵送することを求めている。もっとも種自体は、いまのところ無害な物ばかりということだ。7月29日時点で、少なくとも14種類が特定されており、マスタード、キャベツ、朝顔に加え、ハーブのセージやローズマリー、ラベンダー、さらにハイビスカスやバラなども見つかっている。USDAの担当者は、現時点で届いた種が人や動物の害になることはないとしている(米ローカル局WIBW)。

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Text by 山川 真智子