メーガン妃は「オノ・ヨーコ」? なぜ英国民から嫌われるのか

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◆いわれなき人種・出身国差別
 一方、メーガン妃への批判については正当な根拠を欠くものも多く、ヘンリー王子はこの点について怒りを露わにしている。以前からヘンリー王子の交際は英国民の関心事であったが、メーガン妃との交際では一段と報道が過熱した。アフリカ系アメリカ人である彼女は、伝統と格式を王室に期待する一部イギリス国民のあいだで拒絶反応を招いてしまった。メーガン妃との交際が判明した当時、イギリスのデイリー・メール紙は「ほぼコンプトン生まれそのもの」と書き立てている。ロサンゼルス付近のコンプトン地区は、ギャングと犯罪の横行する治安の悪い地区として悪名高い。件の報道は、メーガン妃とギャングとのパイプを根拠なく仄かしたものであった。

 出身地問題はメーガン妃に影を落としており、WFC.tvも、彼女がアメリカ人であることが批判の原因になっていると指摘する。イギリス人には保守的な価値観を持つ人が比較的多く、立派な経歴と優雅な身のこなしを備えた上流階級出身の人物だけが王室の仲間入りを果たすべきだという考えが浸透している。元女優とはいえ、アメリカの一般階級出身のメーガン妃にはその素養がないとする意見が多く聞かれる。

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Text by 青葉やまと