インド、落雷で毎年2000人以上死亡……犠牲者が多発する理由

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 インドで発生した落雷により、非常に多数の死者が出ている。24時間で少なくとも107人の死者が出た落雷は6月24日から25日にかけて起こり、死者はおもにインド北部のウッタル・プラデーシュ州と東部のビハール州の住人。多数の負傷者も出ているという。BBCなどの報道によれば、ビハール州政府のラクシュメシュワラ・ライ(Lakshmeshwar Rai)災害管理相は、今回の「州内の落雷による犠牲者は、ここ数年で最多である」と語っており、犠牲者数はさらに増える可能性があるという。

◆短時間に数万回の落雷、インドのモンスーン
 日本でも梅雨に入り全国各地で大雨を経験する日々が続いているが、今回のインドでの被害は、インドの雨季であるモンスーンによるものだ。モンスーンの時期は毎年6月から9月にかけて。今年は6月24日にモディ首相がモンスーン突入宣言を出していた。

 モンスーンの時期には大雨による被害だけでなく、雨雲が連れてくる雷の被害も大きい。これは、1回の大きな落雷で大勢が命を落としているのではなく、非常に多くの落雷が集中して起こることによる被害である。たとえば、2018年のインドのアーンドラ・プラデーシュ州では、13時間で3万6749回もの落雷が観測されている。この災害はインドがモンスーンに本格的に突入する前の4月下旬に起きているが、アーンドラ・プラデーシュ州はモンスーン前に気候が不安定になるとして知られた地域である。このことから、今回のウッタル・プラデーシュ州とビハール州でも短時間に非常に多くの落雷があったと考えられる。

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Text by 西尾裕美