インド、落雷で毎年2000人以上死亡……犠牲者が多発する理由

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◆モンスーンの「副作用」とうまく付き合う
 モンスーンはインドの農業になくてはならないもの。灌漑インフラが整ったとしても、避けて通れない現象だ。

 そのため、インド政府は雷や落雷に対する知識を国民に普及させようと努力を続けている。ウッタル・プラデーシュ州などでは、気象条件から落雷の恐れがあるとわかった場合、住民の携帯電話に落雷アラームを送るというシステムを開発しているということだが、問題は、インドでは貧富の差が大きく、農村地帯ではスマートフォンを持たない人が多いことだ。インドはインフラ設備を整えると同時に、最新の技術を持たない人々を保護する方法を考え出さねばならない。

 また、国際社会ができる努力もある。ビハール州での今年の落雷による死亡者はすでにここ数年のモンスーン時期の死亡者数を超えている。シーズンは始まったばかりという事実を踏まえると、今年の落雷数は前年を超えていると言え、ビハール州政府のライ災害管理相は「気象の専門家や科学者によれば、気候変動のための温暖化で落雷の数が増えている」と語る。天候変動にどう対処すべきかは、ここ数十年の間、国際社会で最も注目されている議題の一つだが、いつまでも手をこまねいて見ている時間はないと言えるだろう。

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Text by 西尾裕美

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