オオスズメバチに追跡装置、巣を発見・駆除 米国で定着阻止ミッション

Elaine Thompson / AP Photo

◆ミツバチの天敵
 人に対する害のほかにも、オオスズメバチは農家の頭痛のタネになっている。アメリカ北西部のリンゴ農園やブルーベリー農園などでは、養蜂家に依頼してミツバチを飛ばしてもらうことで農園内の受粉を行っている。ところがオオスズメバチはミツバチを捕食することで知られるため、養蜂家が付近の受粉を断る可能性が懸念されていた。また、これ以外にも、地域に定着している野生のミツバチを外来種であるオオスズメバチが大量に殺してしまうリスクが指摘されている。米農務省によるとミツバチはアメリカのフルーツ・ナッツ・野菜類のおよそ75%の授粉に関わっており、農家の不安は尽きない。

 完全な解決への道が見えないなか、趣味で養蜂を手がける愛好家たちのなかには、独自のトラップを設けて自衛する動きもある。米NBC系列のニュースサイト『キング5』は、ワシントン州で小規模の養蜂場を営むマックフォール氏のお手製の罠を紹介している。1970年代の文献にヒントを得て制作したというこのトラップは、金網でできた箱状の外見をしている。ハチは徐々に狭くなるじょうご状のトンネルを通じて内部へと誘導され、一度内部に達すると、きわめて狭い開口部から外へ戻ることは困難という仕組みだ。本体の金網の目は荒さが計算されており、比較的体の小さいミツバチは通過できるが、体長3〜5センチに至るオオスズメバチは内部に捕らえられる。ただ、マックフォール氏のように趣味レベルの養蜂には事足りるが、大規模な養蜂場ですべてのミツバチの巣にトラップを設けることは現実的でないという。

 「殺人バチ」がこのまま定着してしまうのか、今後の動向が現地の関心事となっているようだ。

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Text by 青葉やまと

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