オオスズメバチに追跡装置、巣を発見・駆除 米国で定着阻止ミッション

Elaine Thompson / AP Photo

◆駆除成功に沸くが……
 駆除成功を受け、昨年からオオスズメバチの恐怖に震えてきた地元は安堵している。オオスズメバチはミツバチを捕食する習性があり、人間だけでなく地域の農業を支えるミツバチの天敵としても恐れられてきた。米農務省の植物保護・検疫副局長は、「彼ら(ワシントン州農務局)の専門知識と新たな手法のおかげで、この巣はもはや当該地域のミツバチの脅威ではなくなりました」とコメントして成功を祝っている。

 しかし、巣の駆除は成功を収めたものの、依然として近郊に別の巣が存在する可能性は否定できない。AP通信によると、今後当局は駆除に成功した木を切り倒し、内部に残留しているオオスズメバチの除去を行うという。この際、女王蜂が巣に残っているか、またはすでにほかの巣に移っているかをあわせて確認する。当局は付近に別の巣が営まれている可能性を念頭に、今後も調査を継続する方針だ。作業に当たった昆虫学の責任者は、「駆除は非常にスムーズに運びました」と喜びつつ、「太平洋岸北西部でオオスズメバチが足場を得ることを願わくは防ぐという私たちの仕事において、これは始まりにすぎません」と気を引き締める。

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Text by 青葉やまと