「世界で最も恐れ知らずな動物」ラーテルとは? 強さの秘密 決死のライオン、ヒョウ戦

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◆母ラーテル、決死の体当たり
 もともと攻撃的なラーテルだが、大切な我が子を守るためとなればヒョウへの捨て身の攻撃も厭わない。南アフリカのクルーガー国立公園で撮影された次の動画では、我が子を守ろうとヒョウに立ち向かう母親ラーテルの勇姿を確認できる。ヒョウはラーテルの子を地面に押さえ込み、息の根を止めて狩の仕上げをしようとしている。しかし何かを感じ取ったのか、寝転びから周囲を警戒する態勢に移り、耳をそばだてる。数秒後、捕われているラーテルの母親と思われる成体のラーテルが出現。はるか彼方からヒョウに向けて突進し、渾身の体当たりを仕掛ける。危険を感じて避けようとしたヒョウは反射的に宙高く飛び上がり、なおも怒りをあらわにする母ラーテルに駆逐されるように遠方へと追いやられる。子の無事を確認するラーテルを遠巻きに見つめるが、不意打ちにすっかり戦意を喪失したのか、再び襲いかかる姿勢は見られない。

 このようにラーテルは、追い詰められたときにこそ凶暴な本性をむき出しにする。インドの森林局職員がツイッターに投稿した動画でも、6頭ほどのメスライオンの群れに囲まれながら、猛然と反撃する2頭のラーテルの姿を確認できる。

 小型で愛くるしい瞳を持つラーテルだが、見た目に反して非常に荒い気性を持つ。攻守ともに隙がなく、自然界で最も相手にしたくない動物の一つと言えそうだ。

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Text by 青葉やまと