「世界で最も恐れ知らずな動物」ラーテルとは? 強さの秘密 決死のライオン、ヒョウ戦
◆「恐れ知らず」 強さのヒミツは
インドのニューデリー・テレビジョン(2020年8月6日)は、「ラーテルが世界で最も恐れを知らない動物との評判を得ているだけのことはある。この肉食動物は小型にもかかわらず、その凶暴な防衛能力と攻撃的な性格で知られている」と紹介している。ギネスにも「世界で最も恐れ知らずな動物」として認定されている。窮地に陥れば、自身の身体の何倍もの大きさのライオンやハイエナなどにも猛然と立ち向かう。
強さのヒミツは、身体の随所に仕込まれた自衛のための武器だ。南アフリカの『ニュース24』誌は、カメの甲羅をも噛み砕く鋭い歯や、長さ4センチに及ぶ鉤爪などを持っていると紹介している。ときに残忍な攻撃を繰り出すことでも知られ、バッファローや人間など外敵の睾丸を噛みちぎり、失血死させたという例が報告されている。知能の高さも相当なもので、登れない段差があれば石を積んで足場を組んで乗り越えてゆく。
加えて、ラーテル最大の特徴とも言えるのがそのユニークな皮膚のつくりだ。分厚くだぶついた皮には柔軟性があるため、仮にライオンなど大型の天敵に噛みつかれたり押さえつけられたりした場合でも、皮の内側で自由に骨格を動かして攻撃をかわすことができる。この皮膚は強力な防御性能をもたらしており、銃弾に耐えるとする説も囁かれているほどだ。アフリカのある狩猟ツアー会社は、頭や心臓などの急所に銃弾が当たらない限りは多少の怪我をするだけであり、仕留めることはできないと紹介している。