ファストフードを食べると身体に何が起きるのか? 7つの危険と脱却のヒント

Alena Haurylik / Shutterstock.com

◆7.添加物と発がん性
 長期的なデメリットのなかでも最も恐ろしいものの一つが発がん性だ。多くのファストフードは添加物を大量に含んでおり、将来がんを患うリスクを増大させる。がんの学術誌である『ニュートリション・アンド・キャンサー』に掲載された論文によると、通称PhIPと呼ばれる複素環アミンの一種が、ファストフードとして売られている100サンプル以上のグリルチキンから検出されたという。この物質は特定の温度で肉を調理したときに形成されるもので、乳がん、前立腺がん、大腸がんとの関連が指摘されている。

◆おわりに
 ファストフードの危険性は長年指摘されているが、状況は改善していない。米肥満対策連合会はファストフード店舗の増加と肥満の増加に関連性があるものと見ているが、いまだアメリカ人の3人に2人は肥満の状態であるとされるなど、粗食対策は後手に回っている。

 ついハンバーガーやピザなどに手が伸びてしまう原因は、その中毒性にあるのかもしれない。MNT誌は、ファストフードは咀嚼(そしゃく)しやすく早く完食できるため、脳の報酬系をすぐに刺激する特性があると述べている。このため、ジャンクフード中毒に陥りやすい。さらに、ファストフードに頼る食生活が続くと自炊の腕が上がらないため、さらにジャンクな食品に頼らざるを得ないという悪循環も生まれる。

 わかっていながらなかなか脱却できないという人は、無理のない範囲で健康的な食事への切り替えを進めるのがおすすめだ。栄養コンサルタントのクリスティ・ブリセット氏はワシントン・ポスト紙の健康セクションへの寄稿記事のなかで、「80:20ルール」の実践をすすめている。できる範囲で(ただし最低80%以上の)食事を健康的な食生活とし、どうしても耐えられなければ残りの20%は好きな食事を取って良いというものだ。この任意の食事は「チートミール」と呼ばれ、「禁断の食べ物」を取ることが許される。ときおり制限食以外を食べることで停滞期を予防するほか、メンタル的にも続けやすくなるという、ダイエット界でもよく知られるテクニックだ。

 ファストフードを完全に断つことは非現実的だとしても、少しヘルシーなメニューを増やしてみるだけで、よりよい食生活への第一歩にできることだろう。

次は 覚えておきたい、意外な発がん性食品22種・リスク低減の食品7種




Text by 青葉やまと