「社交的なアメリカ人」に変化 忘れられる対面コミュニケーションのメリット

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 アメリカでは、対面での社交機会が全世代で減少傾向にあり、大人よりも若者にその傾向が強いという。新型コロナのパンデミックによる影響は大きいが、実はそれより前から対面で人と交わる時間は減少し続けている。一人で過ごす時間が大幅に増えていると同時に、悲しさや不安を訴える10代の割合は、かつてないほど増加している。

◆オンラインで十分 社交的なアメリカ人は過去のものに
 アメリカ人の対面での社交性の低下を指摘するのは、アトランティック誌のライター、デレク・トンプソン氏。同氏は公共ラジオ局WBURの番組に出演。1800年代にアメリカを訪れたヨーロッパ人は、アメリカ人がいかに外出を楽しんでいるかに驚いていたとし、人々は実際に常に外に出て、新しい団体、クラブ、教会、政党、新聞などを立ち上げていたと述べた。アメリカは外向性の王様だったとしている。

 ところが、1990年代に社会学者ロバート・パットナムが『Bowling Alone(孤独なボウリング)』という本を出版。20世紀半ばや、それ以前にあったようなアメリカ人の社交性が、共同体の崩壊や個人主義化でなくなっていることを証明した。

 『Bowling Alone』が出されたころよりも、現在はもっと悪くなっているとトンプソン氏は述べる。生活のあらゆる面における社会的傾向はこの20年で変化し、多くのリモートワーカーはオフラインで同僚に会ったことがない。社交的なコミュニケーションの多くもオンラインに移行し、友達とは会わなくてもメールや電話で用を済ませることが増えた。アメリカの時間利用調査では、成人の場合、20年前に比べ対面での社交に費やす時間が30%減り、10代では50%近く減っているという。

Text by 山川 真智子