いじめ対策に本腰を入れるフランス 加害者に厳罰、サポート強化

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◆ホットライン3018
 ホットライン3018」は、9月に新たな対策として明らかにされたものの一つだ。スクール・ハラスメント問題に関するすべてのSOSを一手に引き受ける連絡先で、通話料は無料。平日・休日問わず9時~23時までアクセスできる。電話だけでなくメールやメッセージでもコンタクトが取れる。

 設置以来、この番号には1日平均150~200件の問い合わせがあり、9日の反スクール・ハラスメントの日には358件と、前日(191件)の2倍に近い問い合わせがあった(BFMTV、11/10)。

◆いじめ被害経験者のアタル教育相
 9月27日発表の対策は、制裁の強化も含む。具体的には、サイバー・ハラスメントの加害者と目された生徒の携帯電話の没収のほか、SNSへのアクセス制限、18時から8時まで夜間のデジタル禁止などが検討されている。

 また、この夏に就任したばかりのアタル国民教育大臣は、新学年度を迎えるまでの短い間に、すでにスクール・ハラスメントについて政令を2つ出し、問題が起きたときには被害者ではなく加害者を転校させる方針と、加害者が別の教育機関の生徒であっても懲戒対象になる点を明らかにしていた(フランス・アンフォ)。

 アタル教育相は、自身のスクール・ハラスメント被害経験をつい先ごろ告白し、この問題に真摯に取り組む姿勢をさらに鮮明にしたところだ。

Text by 冠ゆき