トコジラミ(南京虫)被害増のフランス、何が起きているのか? パリ市が政府に対策要求
フランスのパリ市は9月28日、トコジラミが公衆衛生を脅かすとして、政府に対策を要求した。翌29日には運輸大臣がトコジラミ対策検討会議を早急に開くつもりがあると発表。なぜ今トコジラミがクローズアップされているのか?
◆相次ぐトコジラミ告発
トコジラミとは、日本では別名「南京虫」として古くから知られてきた害虫だ。ヒトや動物の血を吸い、発疹やかゆみの原因となる。
実はこの夏以来、フランスではトコジラミの報告が相次いでいる。8月末には、パリの映画館でのトコジラミ被害がSNSで話題となった。その後、当該施設は専門家の手を借りて消毒作業を行ったことや、その駆除方法などについて詳しく公表した。
9月に入ってからは、フランス国鉄の高速鉄道TGVでのトコジラミの報発が相次いだ。いずれも乗客が座席や絨毯を歩くトコジラミらしきものを撮影し、SNSに投稿したものだ。さらに9月27日にはパリのメトロ8番線の運転手が、運転席でのトコジラミの存在を報告。
しかし、これらの報告を受けてフランス国鉄とパリのメトロ運営会社RATPは車両の点検を行ったが、両社とも「トコジラミの存在は認められなかった」と9月29日に発表している。