若者に人気も要注意、無煙タバコ・スヌースの健康被害 EUでは販売禁止

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◆若者を中心に人気に
 近年未成年者を含む若者の間でスヌースが人気を呼んでいる要因として、チューインガム味、キャラメル味、コーラ味、ストロベリー味などの豊富なフレーバーや、ポップな色彩の丸い缶などのパッケージが受けていることが挙げられる。有名サッカー選手らによるTikTokやインスタグラムなどへの宣伝投稿がこれを後押しし、思春期の若者の心を掴んだのだと思われる(RTL 5 minutes)。

 実際、スウェーデンではスヌース利用の増加とガム消費の減少との間に有意な関連が見られており、スヌースをガムやキャンディのような感覚で消費する人が多いことがうかがえる(アディクション・スイス)。

◆数テイクで病みつきになる中毒性
 外見はいわゆる「タバコ」とは異なるスヌースだが、タバコと同様に高い中毒性を持ち、ニコチン依存症を引き起こす。

 スイスの禁煙援助団体「ストップ・タバ」によれば、ニコチン含有量が1グラムにつき43mgと、一般のスヌースの8mgの5倍以上の強力タイプを製造しているブランドも存在する。

 さらに、日本学術会議は「紙巻タバコと口腔用嗅ぎタバコ、噛みタバコ、ニコチンガムの使用による血中ニコチン濃度を比較した研究によると、無煙タバコは、紙巻タバコに比べて1回の摂取単位時間が長いことから、いずれも血中ニコチン濃度が高く保たれる」と指摘している。

Text by 冠ゆき