消防士による放火事件、仏で相次ぐ 火をつけずにはいられない驚きの理由

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◆衝動を抑えられない放火癖
 一般に放火には、特定の人や団体への恨みや嫌がらせを動機とするものと、放火そのものを目的とするものがあり、後者は放火癖と呼ばれる。放火癖は、いわばアルコールやドラッグ中毒のようなもので、火をつけずにはいられない衝動だ。

 ローラン・レイエ精神科医は、放火癖を「病的なギャンブラーなどに見られるのと同じ衝動制御障害」であると定義している。これまでの研究によれば、放火癖を持つ人には、18~35歳の既婚男性が多い。彼らは、内面に抱えるトラウマなどの問題と向き合うことができず、その代わりに放火するとレイエ精神科医は考えている。(ル・モンド紙、7/30)

◆検挙の意義
 また、ジュリー・パリックス心理学教授は、放火癖を持つ人は、放火によりメディアや世間の注目を浴びることで自分の価値が上がったように感じると考えている。彼らが消防士であれば、さらに火を制御して見せることで二重に功名心を満足させられるというわけだ。(同上)

 消防士の名誉のために書き添えると、放火癖を持つ消防士は全体から見ればごく少数に過ぎない。また幸いにして、放火癖を原因とする放火犯の検挙後の再犯は非常に少ないという(TF1、8/16)。最初に挙げた37歳の被疑者も、逮捕されたことで放火をストップできたことに一種の安堵を感じると弁護士に述べている(フランス・ブルー)。放火犯の特定は、そういう意味でも再発防止につながっている。

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Text by 冠ゆき