英家庭の電気・ガス料金、来年に月8万円にも 不払い運動も

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 世界的なエネルギー価格の高騰で、イギリスの家庭では光熱費が大幅に上昇。1月には平均的な家庭の支払い額は月500ポンド(約8万円)以上に跳ね上がると見られている。支払いに苦しむ人々が出るのは確実で、高額な請求を拒否しようという不払い運動も始まっている。

◆1年で料金3倍以上に 冬の支払いが心配
 イギリスのエネルギー小売価格は、契約プランによって年間上限が設定されている。最も多くの世帯が利用するプランの上限価格が、4月から約700ポンド(約11万3000円)引き上げられ、年間1971ポンド(約31万8000円)となったが、10月には3240ポンド(約52万3000円)に引き上げられる。さらにアナリストたちは、来年の1月には3850ポンド(約62万2000円)に達すると見ており、たった1年の間に電気・ガス代が3倍以上になる計算だ。

 英タイムズ紙は、10月は家庭のエネルギー消費が上がり始める月で、値上げはタイミングが悪いと述べる。現在、暖房の冬用設定を2週間遅らせることなど、家庭の使用量を減らすことが奨励されているという。しかし、平均的な使用量の家庭で電気・ガス代は10月には202ポンド(約3万3000円)になる。さらに1月には515ポンド(約8万3000円)にまで上昇し、家庭の可処分所得の20%にもなる見込みだ。

Text by 山川 真智子