デング熱感染者、世界各地で増加報告 雨季にさらなる警戒

ネッタイシマカ|Tacio Philip Sansonovski / Shutterstock.com

◆デング熱の予防法
 デング熱感染予防に一番有効な方法は、媒介する蚊の繁殖を妨げ、蚊との接触を避けることだ。具体的には、バケツや植木鉢、ペットの水入れなどに溜まったままの水をそのままにしないこと。衣類は肌を覆うものを選び、露出している部分には虫スプレーのような忌避剤をつけること。眠るときは、忌避剤つきの蚊帳を張ることなどを、各国の当局は推奨している。

 米フロリダのマイアミにおいても7月18日、今年初のデング熱感染が確認され、同州の保健当局は忌避剤として、ディート以外に、イカリジン、レモンユーカリ油、P-メンタン-3.8-ジオール、IR3535などが有効であると推奨している。

 また日焼け止めをつける場合は、日焼け止めを先に塗り、忌避剤は約20分後につけるべきとされる(ヴィダル)。

◆日本にも生息するヒトスジシマカ
 デング熱を媒介する蚊は、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedes albopictus)などのヤブカの仲間だ。とくにヒトスジシマカは近年生息地を大きく広げ、その生息地は本来の東アジアから、アメリカ大陸、ヨーロッパ大陸、中東にまで及び、日本にも生息している。ヨーロッパ大陸においては過去15~20年で見る間に北上する様子が観察されており、地球温暖化の影響が指摘されている。

 近年の世界的な気候変動は感染症の流行にも影響をもたらすと言われている。デング熱は南国の病気だと思っていられるのはいつまでだろうか。

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Text by 冠ゆき