保護犬と7年かけ徒歩で世界一周4万8千キロ 人類・犬史上初の快挙

Tatiana Popova / Shutterstock.com

 アメリカ・ニュージャージー州出身のトム・チャーセックと保護犬のサバンナは5月21日、地球4万8千キロの徒歩の旅を無事終えた。彼が故郷ニュージャージーを後にしたのは2015年4月2日。彼が26歳の誕生日を迎える前に、9年間温めてきた旅の計画を実行するため、2015年4月2日に故郷ニュージャージーを後にした。それから7年の歳月をかけて、6大陸38ヶ国を徒歩で回った。

 1日平均18〜24マイル(約28〜38キロ)を歩き、シューズ40足以上を履きつぶした。トムはハイキングすら、まして海外旅行すらほとんど経験がなかった。保護犬と出合い、旅を続ける一人と一匹。果たして保護犬サバンナとの道中はいかに……。

◆保護犬との出合い 孤独だった旅に良き相棒がやってくる
 彼は17歳のとき、幼馴染をスキー事故で亡くしたのをきっかけに、避けて通ることのできない死というものを直視した(マイ・モダン・メット、7/6)。与えられた人生をまっとうするにはどうすればいいのか――彼は、地球を徒歩で回った最初の冒険家スティーブ・ニューマンの自伝や歩く冒険家カール・ブッシュビーの記事を読み、自分も挑戦したいという思いを固めていく。「世界の人達がどんな暮らしを日々送っているのか、この世界について知りたいと思ったんです」。

 ベビーカーにハイキング装備と寝袋、ラップトップ、カメラ、食料保管箱を乗せて、出発した。毎晩、キャンプ地で寝ていると、何かが近づいてくる物音を聞いた気がして、緊張のあまり目覚めてしまう。「犬がいれば、夜の見張り役をしてくれるのではないか」と思いつき、4ヶ月後にテキサス州オースティンの動物保護センターに立ち寄り、生後4ヶ月の保護犬と出合う。最初は見張り役のつもりで飼った犬だったが、一緒に過ごすうちに、自分の旅を共有できる良き相棒であり親友になっていった。(CNN、7/1)

Text by 中沢弘子