国内でも確認、注目すべき変異株「ミュー」とは?
◆ベルギー老人ホームでクラスター
フランスの保健当局によれば、ミュー株は、E484K、N501Y、P681Hなどの変異を含んでいる。そのうち、南アフリカで最初に確認されたベータ株でも見られるE484Kには、免疫回避のリスクがあると考えられている。つまりミュー株には、「自然免疫またはワクチンで得た免疫に耐性をもつ可能性」がある。(20minutes紙)
ベルギーでは、ある老人ホームで7月の終わりから8月にかけて、28人がミュー株に感染し、7人が亡くなった。感染した28人は、全員ワクチンの接種を完了していた。このことは、ミュー株のワクチンへの耐性を証明するとも考えられる。(同)
しかしながら、ベルギーのウイルス学者ヴァン・ランスト氏は、亡くなった7人が80~93歳という高齢であったことも考慮に入れるべきだと考える(同)。また、英国保健機関も、「(ミュー株が)デルタ株をしのぐ兆候はいまのところない」と言明している(CNEWS、8/8)。
◆ワクチン接種後も求められる感染対策
現在、コロンビア(39%)やエクアドル(13%)では、ミュー株による有病率が増加傾向にあるが、世界的に見れば、ミュー株による有病率は0.1%未満でしかない(20minutes紙、9/1)。実際ミュー株が最初に発見されたコロンビアにおいても、急速に拡大するデルタ株と比べると、ミュー株の広がりは弱い(CNEWS)。
新たな変異株の発生をやみくもに恐れる必要はないが、ワクチン接種を済ませても、感染対策を怠らない生活が、今後も求められるであろう。
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