米南部州で「マスク戦争」 義務化を禁止する知事、それに背く学校

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 2024年の大統領選出馬を噂されるデサンティス知事は、バイデン政権の方針にことごとく反旗を翻してきた。NBCニュースによると、同州ではすでに多くの子供が感染してしまっているため、知事の方針に反して新たに2郡、計4郡の教育委員会がマスク着用義務化を決定。同州教育委員会は4郡に懲罰を与える決定を下した。しかし、バイデン大統領は8月18日、マスク着用義務化を禁止している州の知事に対し、法的措置をとるよう指示を出したことを表明。マスク着用義務は今後、連邦政府と州政府間の争いに発展する方向に向かっている。

◆テキサス州知事が新型コロナ感染
 一方、フロリダ州と同様にマスク着用義務化を禁止しているテキサス州では今週に入って状況の変化が見られた。NBCニュースによると、テキサス州最高裁は19日、知事令を無視してマスク着用を義務化している同州の学区が、州知事との司法問題が解決するまで、着用義務化を続行できるという判断を下した。同州教育機関はすでに州知事令を施行しておらず、学校でのマスク着用を黙認している。

 そんななかで、同州のグレッグ・アボット知事自身が新型コロナウイルスに感染した。NBCニュースによると、知事はすでにワクチン接種を完了しており、抗体カクテル治療薬リジェネロンの投薬治療を受けているという。自身が感染者になったことで、今後意見を曲げる可能性もある。

 テキサスおよびフロリダ州知事に代表される、共和党政治家の不可解なマスクやワクチンへの敵視、そして誤情報の拡散は、トランプ前大統領の姿勢から来たものかもしれない。共和党政治家はマスクやワクチンを否定することがバイデン政権への抵抗策だと考えているようだが、それが国民、とくにワクチン接種とマスク着用を拒否する場合も多い自らの支持者、そしてその家族を危険にさらす結果に繋がっていることは気に留めていないようだ。

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Text by 川島 実佳