フランスにおける人種的差別 仏サッカー代表選手の発言が騒動に

Lewis Joly / AP Photo

 4年に1度のサッカーの祭典、欧州選手権(ユーロ2020)の余韻が依然として残るなか、それにフランス代表として参加していたアントワーヌ・グリーズマンとウスマン・デンベレをめぐって波紋が広がっている。2019年の所属チームFCバルセロナの日本ツアーの際、グリーズマンとデンベレがテレビゲーム機器の接続のため二人の部屋にやってきた日本人について、「醜い顔」「何て言語だ」などと笑いながら語っている動画が拡散したのだ。これに対し、日本のSNS上では二人への非難の声が高まり、グリーズマンとカードゲームのアンバサダー契約を締結していたコナミは突如解除を発表した。FCバルセロナのスポンサーである楽天の三木谷氏も強い懸念を示し、今後の動向が注目される。すでに、グリーズマンとデンベレは謝罪の意思をSNS上に示し、FCバルセロナも公式に謝罪した。

◆フランスで日本人やアジア系は偏見を受けるのか
 筆者は生まれてから20年間サッカーに本格的に打ち込んできたので、今回も全試合の9割くらいは見ていたが、とくに留学先だったフランスを応援していたので、今回の騒動には正直驚いている。フランスは2018年ロシアワールドカップの優勝国で、当然ながら今回のユーロでも優勝候補の筆頭だった。

 では、グリーズマンとデンベレのような発言は日常的にあるものなのだろうか。筆者は以前フランスに留学していたことがあるが、経験談としてそういったことは日常生活のなかではほとんどないといっていいだろう。もちろん、皆が皆そうだというわけでないが、筆者はそういったことに遭遇したことはない。

Text by 和田大樹