インドが懸念の変異株「デルタプラス」とは? 日本でも確認
◆デルタプラスの3つの特徴
デルタプラスについては、サンプルが十分にないため、まだわからないことの方が多い。それにもかかわらず、インドが22日、デルタプラスを「注目すべき変異株」から「懸念すべき変異株」へと引き上げたのは、ゲノムシーケンシング研究所の科学者らの報告を受けてのことだった。(ストレーツ・タイムズ、6/23)
その報告によれば、デルタプラスの特徴は次の3点だ。まず、より伝染力が高いと思われること。次に、肺細胞により強く取りつきやすいと見られる点。最後に、モノクローナル抗体治療への耐性を示す可能性があること。
また研究者らは、デルタプラスが、ワクチンや感染によって得た免疫を回避する可能性についても否定できないと考えている(エコノミック・タイムズ)。
◆より多くのデータ研究が必要
だが、インド有数のウイルス学者であるジャメール教授は、いまのところこれらを証明するデータは揃っていないと注意を促す(エコノミック・タイムズ)。
同様に、ルイジアナ州立大学のカミル教授や英王立学会メンバーのカン教授らも、十分なデータがない現時点においては、デルタプラスの危険性は判断できないという見方を示している(BBC、6/23)。
エコノミック・タイムズによると、インドにおける新型コロナウイルス研究グループINSACOGは、このデルタプラスが、インドの第2波ピークにあたる3月~4月に同国で広まっていたかどうかを現在調査している。それにより、デルタプラスの潜在的感染力や危険度を明らかにしたい考えだ。まもなく発表される予定のこの調査報告に注目したい。
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