市の名前が「不適切」?! FBページが削除されたフランスの町

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 ドイツ国境に近い人口5000人余りの小さなフランスの町「ビッチュ(Bitche)」のフェイスブックアカウントが3月19日、突如として停止された。その理由は、同市の名前Bitche([bitʃ])が、英語の単語bitch([bɪtʃ])にスペルも発音もきわめて近いことにあった。

◆市の名前が「不適切なコンテンツ」?!
 日本でも「ビッチ」の表記で知られるこの英単語は、英語圏では知らない人がいない罵り言葉だ。それゆえに、ビッチュ市のページは、フェイスブックの規約に反すると判断されてしまった。しかし、何もやましいところがないのに、突然アカウントを停止された市役所は途方に暮れた。困った市役所は、同市の郵便番号をつけた新たなページを作成して、広報を継続するとともに、FBに働きかけた。

◆ツールの限界
 その甲斐あり、同市のFBページが復活したのは4月13日になってからのことだ。同市のキフェール市長はこの日公開したプレスリリースのなかで、ことの顛末を説明し、フェイスブックのSNSコミュニティ規定とその対策に理解を示している。しかしそれと同時に、モデレーション・ツールの限界を指摘し、「とくに情報源の検証に関しては、ヒトの目だけが判断できる」とコメント。フェイスブックという「機関」に、「透明性を持つこと」と「賢明で公正なツールであること」を望むと明言する。

Text by 冠ゆき