米、ワクチン2回接種が25%に 保守州では遅れ

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◆ワクチンに消極的な共和党州
 全国的に見るとワクチン投与は順調に進行しているアメリカだが、州別に見ると接種率にかなりの開きがある。ジョンズ・ホプキンス大学統計によると、米領を除き人口比のワクチン接種率が最も低いのはユタ州(18.60%)、アラバマ州(19.16%)、ジョージア州(19.65%)、テネシー州(20.23%)、ミシシッピ州(20.38%)、アーカンソー州(20.93%)、テキサス州(21.82%)と、すべてが共和党知事の保守州なのである。

 CBSニュースによると、ミシガン州の共和党支持者の男性と民主党支持者の男性に「ワクチン接種を受けるか」と質問したところ、民主党支持者の25%に対し、共和党支持者は倍の50%が「受けない、またはわからない」と答えた。この世論調査を行った調査員の話によると、共和党支持者は政府を信用せず、政府による規制を嫌がる傾向にあるという。それは、銃規制に対する共和党支持者の反発を見ても明らかだが、政府(それも民主党大統領)が推奨する新しいワクチンへの不信感にもつながっているのだろう。

◆ファウチ所長「ワクチン拒否は苛立たしい」
 米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長はCNNのインタビューで、共和党支持者のワクチン不信感について言及し、「共和党員が規制を懸念していると言う割に、ワクチン接種をしたがらないのは非常に苛立たしい」「(共和党員の言動が矛盾していることが)ほとんど意味をなさない」などと不満を漏らした。このインタビューで取り上げられた世論調査によると、共和党員の43%は「新型コロナワクチン接種をしない」と回答しているという。

 アメリカではすでに、16歳以上でワクチン接種を受けたい場合はいつでも受けられる態勢に入ったものの、共和党支持者の半数近くがワクチンへの抵抗感を示す現状では、人口の3割程度がワクチン接種を受けないまま感染の危険にさらされる現状が続くと思われる。また今後はアメリカの多くの州で旅行や進学の際にワクチン接種を求める方向に動いていく可能性も高く、ワクチンを拒否する人々は「新型コロナ以降」の社会生活から取り残されてしまう場合も出てくるだろう。

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Text by 川島 実佳