「最高の国」ランキング、日本2位 起業家精神は1位 米誌
◆起業に適した環境が揃う日本
日本についてUSニューズ誌(4月13日)は、「世界で最も教養があり技術的にも発達した国」だと述べている。経済面では2011年の東日本大震災に触れつつ、その影響からはほぼ立ち直ったと見ている。自動車、電子機器、鉄鋼などの産業は世界トップレベルだとも同誌は述べる。文化面では、茶道、書道、武道などが発展しており、寿司など食文化や各種世界遺産などでも知られると紹介している。
今年度のランキングでは日本は起業家精神のカテゴリでトップとなり、この分野で2位のドイツと3位のアメリカを上回った。日本人が高い起業家精神を持っているかは議論が分かれそうだが、ランキングでは起業を実現しやすい環境の有無が評価対象になっており、この点でスコアを伸ばした可能性がある。カテゴリを構成する評価項目は「他国との連携」「教育人口」「起業家精神」「革新性」「出資者へのアクセス容易性」「習熟した労働力」「技術的経験知」「ビジネス経験知の公開度」「インフラの発達」「法的枠組みの発達」となっている。カテゴリとしての「起業家精神」のスコアは、これらの単純平均で算出された。
日本がスコアを伸ばしたほかのカテゴリとしては、「文化的影響」で世界5位、「将来の成長見込」「パワー」で各6位、「俊敏さ」で7位となっている。反対に最も順位が低かったのは「ビジネスの容易さ」の26位、「冒険」の28位となったが、それでも78ヶ国中の上位半数に入る結果となった。
◆首位は人権尊重のカナダ
総合で首位となったのはカナダだ。カテゴリ別では、「人生の質」と「社会正義」でそれぞれ100点満点のスコアを獲得し、各単独1位となった。さらに細分化し、社会正義を構成する11の個別指標を見ると、「人権への配慮」「社会正義への取り組み」「人種間の公平性」「所有権の遵守」の4つの指標でカナダは世界トップとなっている。
同じ北米のアメリカと比較すると、移民に寛容なカナダの特性が際立つ。USニューズは「社会正義でアメリカが18位となる一方、カナダと北欧諸国は最も熱心に取り組んでいると見られている」「こと人種の公平性に限ると、アメリカは69位がやっとで、これは中国とイラク双方の後塵を拝している」と述べている。
今年のランキングには昨年までのカテゴリに加え、「俊敏さ」「社会正義」の項目が新たに加わった。USニューズ誌は俊敏さについて、パンデミックによって急速な変革が必要とされた年であったことを反映したと説明している。社会正義についてはBLM運動などの高まりを受けてのものと見られる。
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