米議会襲撃、内部協力者の疑い 周到な計画の可能性

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◆事件中ペロシ氏の動向をツイッターで報告
 一方、共和党議員数人が襲撃事件に至るまで、そして当日にも怪しげな行動をしていたと報告されている。USAトゥデイ紙(電子版)によると、6日のトランプ支持集会を計画し、現在身を隠している極右派のアリ・アレキサンダー氏は、共和党のポール・ゴーサー、モー・ブルックス、アンディ・ビッグスの各下院議員が集会計画を手助けしたと述べている。

 では、前日5日にトランプ支持者を引き連れて連邦議事堂内を案内していた議員というのは一体誰だろうか? いまのところ、民主党議員から名前は挙がっていないものの、作家のドン・ウインスロー氏はツイッターで、案内をしていたのはコロラド州選出の新人共和党下院議員ローレン・ボーバート氏であると話している。

 ボーバート氏に関しては、事件当日も怪しい言動が目立つ。同氏は当日、朝から「今日は1776年だ」とツイッターに投稿(すでに投稿は削除)。ちなみに、1776年はアメリカが革命で独立した年である。またボーバート議員は事件中にも、ソーシャルメディアを使わないよう指示されていたにもかかわらず、「私たちは下院議事堂の中に閉じ込められている」「スピーカー(ナンシー・ペロシ下院議長)は議事堂から移動させられた」とツイートした。

 民主党のブライアン・シャッツ上院議員はツイッターで、ボーバート議員のツイートを引用し、「私たちは(襲撃事件中に)、警備をしてくれている人々から、明確な理由のために家族を含む誰にも居場所を伝えないようにはっきりと伝えられていた」と語った。つまり、ボーバート議員はツイートをすることで、議事堂の外にいたトランプ支持者に議員たちやペロシ議長の居場所を伝えていたのではないかと思われている。

 このほかにも今回の連邦議会議事堂襲撃事件では、6日にトランプ支持者の大規模な集会が行われることがわかっていたにもかかわらず警備が異様に手薄だったこと、警備にあたっていた議会警察官のなかにも協力者がいた疑いがあること、そして支援要請が出ているのに、長時間州兵が議事堂に派遣されなかったことなど、すべてがあらかじめ念入りに計画されていたのではないかという疑いが大きくなっている。この後、20日にバイデン新大統領が就任し、捜査が進んでいくなかで、驚くような事実が明るみに出てくるかもしれない。

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Text by 川島 実佳