今年の欧州のクリスマスは? 制限強化・延長やむなし、苦しい各国

Mindaugas Kulbis / AP Photo

 苦肉の緩和策を打ち出したヨーロッパ各国だが、収まらぬ感染者数に再び移動制限を強化する国が出ている。クリスマスを間近に控えた現状を報告する。

◆デンマーク、オランダ、ドイツは制限強化
 クリスマスを目前にして制限強化を決めた国には、デンマーク、オランダ、ドイツが挙げられる。

 人口580万人強のデンマークでは、12月頭に一日で新規感染者2000人超を記録。止まらぬ感染拡大に、まず9日からコペンハーゲンやオーフスなど都市部38自治体の半ロックダウンを決めた。その内容は、1月3日までバー、カフェ、レストランはテイクアウト営業のみとすること、劇場、コンサート会場、映画館、図書館、スポーツ施設の閉鎖などを含み、中学高校はオンライン授業、加えてリモートワークが推奨されるというものだ(ル・モンド紙、12/8)。この制限は数日後にはほかの自治体にも拡張されるが、12月半ば、一日の感染者数3692人を記録するに至り、とうとう12月25日から1月3日までのロックダウンを16日決定した。その間は食料品店と薬局以外すべての商店が閉鎖されることになる(20 minutes紙、12/16)。

 一方、オランダは14日、1月19日まで続く5週間のロックダウンを宣告した。人口1741万人の同国でも11月に一旦減少するかに見えた感染者数の増加が著しく、12月12日には総死者数が1万人を超えた。今回のロックダウンでは、国民はステイホームを推奨され、一日に家に迎えられる人の数は2人までとされる。スーパーマーケットや食料品店、薬局以外のすべての商店は15日から閉鎖される。美術館、映画館、劇場、ジム、動物園なども同様だ。オランダは、春のロックダウン時には商店の閉店を決めておらず、今回の発表は、これまでで最も厳しい制限措置である(20 minutes紙、12/15)。

Text by 冠ゆき