日本の接触通知アプリの利用は少ない? 欧州諸国と比較
6月19日にリリースされた日本の新型コロナ接触確認アプリCOCOAは9月16日時点でダウンロード数が約1698万件、陽性登録件数は785件。使用者は増えているとはいえ、とても感染を防ぐ主要手段には至らぬ状況だ。では、他国ではどうだろうか? 欧州の接触通知アプリ状況をみてみよう。
欧州で開発された接触通知アプリには、グーグルとアップル提供によるアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)をベースにした「分散型」アプリと、これを使用しない「中央集中型」アプリがあり、前者が大多数を占める。ちなみに日本のアプリCOCOAも、グーグルとアップル開発によるAPIを使用している。
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◆比較的広く用いられている国は?
アプリが比較的普及した国には、アイスランド、ドイツ、スイスが挙げられる。なかでも、アイスランドはリリースからすぐにダウンロードのピークを迎え、国民の約40%という高い割合がアプリを使用している。夏のバカンスシーズンには、観光客にダウンロードを推奨したため、再びダウンロード数が増加したという(RTL、9/9)」。
ドイツが6月にリリースした分散型アプリもおおむね肯定的に国民に受け入れられている。政府スポークスマン、シュテッフェン・ザイバートの言葉を借りれば、「(アプリは)万能ではないが、感染路を突き止め断ち切るための貴重な補助ツール」である(同)。「9月1日の段階で1780万回ダウンロードされ(中略)、7月頭にはすでに数百件の感染がアプリにより報告された」(同)という実績を持つ。ドイツの人口が8300万人強であることを思うと、単純計算で約21%がダウンロードした計算だ。
スイスのアプリSwissCovidは5月25日に試験運用が開始され、一ヶ月後に本格運用がスタートした。「いまでは160万人近くのスイス人が積極的に使用している。人口850万に対し、アプリのダウンロード数は230万回」(同)というから、単純計算でのダウンロード率は27%になる。