新型コロナはどのように収束するのか 過去の感染症が辿った道

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◆集団免疫:スペインかぜ、麻疹
 新型コロナ発生当初よりその有効性が何度となく議論されてきたのが集団免疫だ。集団免疫とは「人口の大半(60~70%)がウイルスと接触し免疫を得る」(ドクティッシモ)ことを言い、これにより感染拡大を抑える効果が期待できる。フランス・アンフォによれば、「1918年のスペインかぜを含む、インフルエンザの大半と、麻疹(はしか)」がこのケースにあたる。しかしながら、スペインかぜは集団免疫を得るまでに相当な犠牲を払った例だ。1918年~1920年の間に世界で4000〜5000万人の死者を出したのである。また、集団免疫の獲得は結果であり、目的ではなかった。各国が取った施策としては、学校や施設の閉鎖、衛生的習慣の普及、交通機関の消毒などの防御策のほか、一時的な国境の封鎖が挙げられる。

◆ワクチン:天然痘、H1N1、エボラ出血熱
 ワクチンは上に述べた集団免疫を人為的に生み出す手段である。ワクチンが有効に働いた最も象徴的なケースは天然痘で、世界保健機関(WHO)が主導する大規模なワクチン接種キャンペーンののち、1980年に撲滅宣言が出された。

 同じくワクチンの開発に成功したのが2009年の新型インフルエンザ(H1N1)だ。これは、本来ならば鳥や豚が保有するインフルエンザウイルスが2009年人に感染したことで引き起こされたパンデミックで、アメリカ疾病対策センターによると、15万1700〜57万5400人の死者を出した。季節性インフルエンザ同様エアロゾル感染するにもかかわらず、比較的被害が少なくて済んだのには複数の要因があると考えられる。ひとつは「春の訪れが感染を遅らせた」(「科学と未来」誌)こと。また「すでにH1かN1いずれかのエピトープの抗体を持つ人が一定数いたため、ある程度の免疫を持っていた」(フュチューラ・サンテ)こと。そうして最後に「ワクチンが(中略)感染を止める役割を果たした」(「科学と未来」誌)」。

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Text by 冠ゆき