新型コロナはどのように収束するのか 過去の感染症が辿った道

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◆新型以前のコロナウイルス:SARS、MERS
 コロナウイルスSARS-CoVが引き起こす重症急性呼吸器症候群(SARS)は、21世紀に入って最初に現れた重要な新興感染症で、2002~2003年の間に、8096人の感染者と774人の死者を出した(WHO発表)。新型コロナと異なり、患者との密接な接触で感染するため、「早めの隔離と(中略)、国境での水際対策が感染拡大を阻んだ」(『フュチューラ・サンテ』4/20)。しかし、SARSが消失した要因はそれだけではないかもしれない。11月に始まったSARSの流行は翌年の7月に収まったことから、季節的な影響も指摘されている。

 2012年サウジアラビアで発見された中東呼吸器症候群(MERS)もコロナウイルスのひとつMERS-CoVが原因となる感染症だ。発熱、咳、呼吸困難、ときとして消化器官の障害を引き起こし、致死率は約35%とされる。治療薬もワクチンもないが、基本的にラクダとの接触でのみ感染し、ヒトとヒトとの間の感染は稀であるため、ラクダと感染者から遠のくことで感染の連鎖を止めることができた。

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Text by 冠ゆき