ドイツ、コロナで消費者心理はどう変わったのか?

マネキンを置いて客間の距離を保つカフェ|Martin Meissner / AP Photo

◆購買意欲の低下と長期化する景気回復
 外出・接触制限で必要最低限の食材や日用品を買い求めるだけの生活を数ヶ月体験した消費者は、それでも過不足ない生活ができることを認識した。そのため、価値観も変わり、節約意識も高まった。旅行や外食などのサービス消費をはじめ、服飾品や高級品など嗜好品購入は大幅に減少することが予想される。終息時期の不透明な状況下を反映し、消費者の5人に1人が日常生活は長期にわたって変化していくだろうと見る。

 たとえば、ロックダウンから約1ヶ月後の4月20日より一部小売店の営業が解禁されたが、客は外出できる自由に幸せを感じ、商品購入にはあまり興味を示さなかった。店舗経営者は再開の喜びもつかの間、伸びない売上高と消費者の購買意欲の低下を痛感した。

 そしてコロナ禍で得た教訓から、この先消費者は「衝動買いをしない、必要最低限の買い物をする、商品価格に注意を払う、ブランド品への出費を避ける」と意識も変わりつつある。

 さらに出張や個人旅行を控える56%、旅行をしない27%、映画やコンサート、劇場へ行かないあるいは減らすが約3分の2、スポーツジムや健康増進施設へ行くことはなくなるだろうと答えたのは45%だった。

 移動方法として、将来は公共交通機関を利用しない、その代わりに自転車や徒歩、必要であれば自家用車で目的地に向かう意向を示した。コロナパンデミック以前、バスを利用した客の51%は、将来バスに乗車しないと回答。感染リスクを避け、需要は劇減するかもしれない。

 物理的、あるいは心理的な衝撃は、2008年のリーマンショック以上と言われており、消費者の購買意欲がコロナ感染以前のレベルに戻るまで、2年はかかるとマッキンゼーは予測する(経済誌WirtschaftsWoche)。

◆ニューノーマルな生活の始まり
 新型コロナウイルスの感染拡大ペースは鈍化しており、感染拡大初期の3月より市民の心配度も低下しつつあるが、他人と接触なしでは日常生活は回らない。食料の買い出しから公共交通機関など、そこで従事する人がいてはじめて稼働しているが、コロナ禍後も生き残るためにはビジネスモデルの見直しが必要だ。

 コロナ禍は終息まで2年ほどかかる可能性もあるといわれ(ロベルト・コッホ研究所)、引き続き人との距離を保ちながら社会的な連帯を保つ「ニューノーマル」な生活を成立させるために慎重な行動と忍耐が求められる。

 一方で、ロックダウンはポジティブな面も浮上した。ドイツ連邦統計庁のアンケート調査によると、外出規制で渋滞と交通量の減少、国境封鎖そして空路の閉鎖により、二酸化炭素排出量は、コロナ禍前比で26%も減少した。 

 また、長時間自宅で生活することを強いられ、家庭内で変化も見られた。なかでもホームオフィスで在宅する父親とホームスクールの子供たちも向き合う時間が増え、家族のつながりも深まった

Text by noriko spitznagel

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