ドイツ、コロナで消費者心理はどう変わったのか?

マネキンを置いて客間の距離を保つカフェ|Martin Meissner / AP Photo

 新型コロナウイルス感染の危機対策におけるロックダウンで働き方や消費意識は大きく変わった。終息までまだ時間がかかるとされるが、人が集まることを制限し、他人と繋がることを阻害する社会的及び物理的距離を強いられた消費者の動向は、コロナ後どう変わるのだろうか。

◆ロックダウンで変わった消費者の意識
 米大手コンサルティング企業マッキンゼー・アンド・カンパニードイツ(デュッセルドルフ)は、国内の男女1000人を対象に、新型コロナウイルスの感染拡大によって変化した消費者意識に関するアンケート調査を実施した。

 消費者の関心トップ3は、経済、終息時期、健康だった。1位と2位は、経済の先行きとコロナ禍がいつまで続くのかがそれぞれ52%、3位は家族や身内の健康が42%と続く。さらに、国境閉鎖や外出・接触制限は段階的に規制緩和されつつある一方、夏休みが近づくにつれ(ドイツの学校の夏休みは、混雑を避けるため州によって異なる。6月中旬から9月中旬)、今年は旅行が計画通り実現するのかどうか懸念する回答者も同じく42%となった。

 今後の景気回復においては、「楽観的」が20%、「悲観的」が17%、「不確実」が60%だった。この結果は、4月上旬よりも悲観的な回答が5%増え、先の読めない回復軌道の復帰に懸念を抱く消費者の心理が伺える。

 封鎖生活中は、スーパーマーケットやドラックストア、薬局などは営業していたものの、直近2週間の間、食料品以外の買い物はしなかった消費者は54%だった。

Text by noriko spitznagel