子供は感染しにくい、広げないは本当か? 学校再開の是非で議論

Ennio Leanza / Keystone via AP

 新型コロナウイルスの感染が落ち着いてきた国々では、学校再開に向けて、子供の感染における役割が議論されている。これまで子供の感染は少なく、他者への感染も少ないとされてきた。しかしデータ自体が少なく、各国の学校再開の判断を困難にしている。

◆子供は主要感染源ではない、スイスの見解
 米疾病予防管理センター(CDC)によれば、全米で18歳以下の新型コロナウイルス感染者は感染者全体の1.7%で、世界的にも子供の感染は2%以下とされている(ビジネス・インサイダー誌)。これまでのところ子供は感染しにくく、他人にうつすことも少ないというのが、世界的に共通の認識だろう。

 スイスではソーシャルディスタンシングの規制を緩め、孫が祖父母にハグをすることが許可された。高齢者の精神衛生には有益という判断だ。スイスの感染症対策の責任者、ダニエル・コッホ氏は「子供は感染しないしウイルスを伝染させない」と述べている。保健当局のYan Hulmann報道官は、10歳以下が感染することはまれで、発症しても症状は軽いとウェブ誌『Vox』に説明する。子供は大人から感染するが、大きな感染源ではないことは明らかだとし、学校再開は大きな問題には思えないとしている。

Text by 山川 真智子