警察との衝突、抗議デモ……強制力伴うロックダウンのリスク
◆日本ではできない外国のようなロックダウン
今年3月14日に成立した新型コロナウイルス特別措置法では、強制的な都市封鎖は不可能で、すでに発出された緊急事態宣言でも、政府は国民に強く要請することしかできない。緊急事態宣言は、政府による国民への最大限の警告ではあるが、強制力は持たない。
強制力を伴うロックダウンは、感染拡大を防止するという意味では有効だが、こういった治安上、家庭上の問題を誘発することから、各国政府としては判断が難しい問題でもある。
いずれにせよ、現在強制力を持たないが、日本では部分的にもロックダウン状態にあり(ロックダウンの明確な定義はない)、市民の多くは細心の注意を払っており、政府による緊急事態宣言の発出は警告として大きな意味がある。
◆今後の動向
先に触れたように、フランスやインドでは最近になってロックダウンの期間が数週間延長された。新型コロナウイルスの感染拡大が止まり収束に向けて一定の目処が見えない限り、この措置は継続される可能性が高い。だが、期間が長引けば長引くほど、地元警察との衝突、食料品店での略奪行為、大規模な抗議デモなどを誘発するリスクは高くなる。こういったことは日本では考えにくいが、常にテロや宗教対立、反政府デモなどが発生している国々では、ロックダウン事態が脅威となる場合がある。
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