新型肺炎、長期化で懸念される日本人へのリスク
新型コロナウイルスによる影響が止まらない。2月18日現在、世界での新型コロナウイルス感染者数は7万人を超え、中国での死者は1868人に上っている。中国では感染する医療従事者も増加の一途を辿っており、国民の間で指導部の情報操作や不十分な対応への批判の声が高まっており、習近平政権の今後の政治運営にも影響を与えそうな状況だ。WHOも「今後どうなるかわからない」との見解を示し、各国に対策強化を促すのみで、感染終息への兆しは一向に見えそうにない。そのようななか、どこでどれほど感染が拡大したかにだけ注目していればいいわけではない。現在の状況の長期化は、海外邦人への新たなリスクを高めている。
◆中国というレッテルで巻き込まれるリスク
先月の感染拡大以降、前回の論考でも指摘したように、韓国や香港では反中的な動きが顕著に見られた。また、ベトナムでも一部の店で、店主が「中国人は入れません」などとする張り紙を出すなど、中国恐怖症(シノフォービア)が見られた。すべては確認できていないが、おそらくベトナムでのような出来事はほかの国々でも見られたに違いない。
また、米国ロサンゼルス当局によると、2月15日の時点で、新型コロナウイルスの感染例は1件しか確認されていないものの、感染の恐怖からアジア系に対するヘイトクライムが多発しているという。2月上旬には、アジア系の男子中学生が同級生に暴行され、病院へ緊急搬送される事件も発生したという。
現在、ツイッターのキーワード検索に「日本人」と入力すると、「日本人 入国拒否」「日本人 入国禁止」などが候補に出てくる。日本人の間でも、中国というレッテルで日本人が巻き込まれるリスクへの懸念が高まっているのかもしれない。
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