政治問題化する新型肺炎 広がる「中国恐怖症」、一帯一路にも逆風

Ahn Young-joon / AP Photo

 中国政府は4日、国内の死者は425人に上り、感染者は2万438人になったと発表した。新型コロナウイルスの猛威が止まらない。死亡者数は、2002年から2003年にかけて猛威を振るったSARSの死者数349人を上回ってしまった。すでに、米国やオーストラリア、ニュージーランドなどは、中国からの入国全面拒否を決定し、北朝鮮やロシアなどは中国と結ぶ鉄道や航空便を停止している。今後も終息への兆しが見られない場合、こういった各国の制限はさらに強まる可能性もある。

◆政治問題化する新型コロナウイルス
 誰もが早期に終息することを願っているが、すでにこの問題は国際政治や安全保障の領域にも影響を及ぼし、各国でシノフォービア(Sinophobia)を高揚させている。

 韓国では、旅行で訪れる中国人に対する警戒心が市民の間で拡がり、中国人の入国を停止するべきだとして、すでに市民60万人以上の署名が大統領府に集まったという。ソウルでは先月29日深夜、韓国人と中国人のグループがすれ違いざまに肩がぶつかったことで口論になり、両者の間で激しい暴力が発生した。その後、中国人のグループは、韓国人のグループから「ウイルスはマスクをつけろ」「肺炎をうつしていないで中国に帰れ」などの暴言を吐かれたという。韓国政府は今月2日、関係閣僚会議を開催し、4日から湖北省に滞在してきた外国人の入国を禁止する決定を下した。

Text by 和田大樹

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