日本の司法が悪くても逃亡は……ゴーン氏に海外メディア厳しい目

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 金融商品取引法違反、会社法違反(特別背任)の罪で起訴され、保釈中だった元日産自動車社長のカルロス・ゴーン氏がレバノンに逃亡した。「不公正と政治的迫害から逃れた」と声明を出した同氏に対し、理解と同情を示し、日本の司法制度を批判する海外メディアも多い。一方で、逃亡という行為自体は問題視されている。

◆欧米では同情、日本の司法が悪
 2018年12月に出されたフィナンシャル・タイムズ紙(FT)の記事は、被疑者が起訴されずに23日間勾留されてしまうこと、弁護士が取り調べに同席できないこと、起訴後の有罪率が99%であることなどを日本の司法の問題点として上げていた。とくに、有罪率99%という部分は広く海外メディアで取り上げられ、この点が今回のゴーン氏の逃亡に一定の理解と同情が集まった理由のようだ。

 米自動車業界紙オートモーティブ・ニュースの社説は、ゴーン氏が裁判もなく複数回拘置所に入れられ、1年以上も待たされているのが現実だとする。もし有罪であれば同情に値しないが、公正な扱いは受けるべきで、有罪率99%の日本の制度が公正とは思えないとしている。

Text by 山川 真智子