クリスマスは中華料理、ユダヤ系アメリカ人の120年続く伝統

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 今年のクリスマスも例年通り、アメリカの多くの家庭では家族が集まり、クリスマス料理を食べてお祝いをしたようだ。しかしユダヤ教徒にとってクリスマスは普通の休日であり、彼らの多くがクリスマスに夕食を取る場所は、なんと中華料理店だという。実はチャイニーズ・ディナーはユダヤ系アメリカ人にとってのクリスマスの伝統で、その理由を現地メディアが解説している。

◆始まりはニューヨーク 非キリスト教移民同士の出会い
 ユダヤ教指導者で研究者でもあるジョシュア・エリ・プラウト氏によれば、アメリカでユダヤ人が中華料理を食べるようになったのは19世紀末だという。当時、ニューヨーク市マンハッタン地区のローワーイーストサイドでは、ユダヤ人移民の居住区は中国人移民のものに隣接していたという。1936年の出版物には、ユダヤ人が多く住む地域に、すくなくとも18の中国系飲食店があったとされている。キリスト教徒は、日曜日には教会で振る舞われるランチを食べていたが、取り残されたユダヤ人は中華料理店に行くようになったということだ(ウェブ誌『Vox』)。

 ユタ州のディザレット・ニュース紙によれば、中国人とユダヤ人の共通点は、どちらもクリスマスを祝わないことで、クリスマスでも休まず店を開けていた中華料理店に、ユダヤ人が食事に来るようになったという。ユダヤ教の歴史は数千年とあるが、クリスマスイブに中華料理を食べる伝統はここ120年ほどのことだと同紙は述べている。

 移民の多いニューヨークならほかの料理の選択肢もあったはずだが、乳製品と肉類を混ぜることが禁じられているユダヤ教徒にとって、ほとんど乳製品を使わない中華料理は安全と見られた。中華料理でよく使われる豚肉は、コーシャ(ユダヤ法に従い消費される食べ物)ではないが、ワンタンなどで内側に隠されていたため、食べてもおとがめなしと独自に判断する人が多かったと、上述のプラウト氏は説明している(Vox)。

Text by 山川 真智子

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