受信料払いたくない高齢者、テレビ見ない若者……イギリス公共放送に迫る危機(1)

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 イギリスの公共放送局であるBBCに、事業継続の危機がじわりと迫っている。日本のNHKの受信料に相当する「テレビライセンス料」のポリシー変更をめぐり、年金受給者たちから猛反発が相次ぐ。さらに若年層の視聴数も落ち込んでおり、監督機関にあたるオフコム(英放送通信省)は「公共放送が維持不能になる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

♦︎高齢層は反発、不払い宣言も
 BBCは日本のNHKと同様、テレビライセンス料を実質的な収益源とし、広告に依存しないモデルで運営している。75歳以上の年金受給者らはこれまで支払いを免除されてきたが、BBCは今年6月、無償化措置の終了を発表した。2015年に無償化部分の費用負担が政府からBBCに移管されており、有償化はこれを受けての措置となる。英フィナンシャル・タイムズ紙によると、高齢者の有償化発表以降、BBCが広範囲に及ぶ批判にさらされてきた。

                                                                                                                 

 有償化は2020年夏から実施される予定で、高齢層への課金はおよそ20年ぶりとなる。英エクスプレス紙(11月9日)は、無償化終了以降もライセンス料を払わないと宣言している82歳の活動家の例を取り上げている。「基本的に、私は払いません」と宣言するこの女性は、不払いをめぐり訴訟を起こされる可能性を認識した上で、「(訴えるなら)そうしなさい」と断固とした態度を示しているという。低所得者など無料措置が継続される世帯はあるものの、新制度では高齢者のおよそ3分の2が支払い対象となる。

Text by 青葉やまと