捕鯨より将来性あり? 日本近海でのホエールウォッチングが人気

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◆クジラは観光資源 新たな町おこしに
 捕鯨船が出港する釧路港の北160キロにある羅臼町では、昨年3万3451人がホエールウォッチングとバードウォッチングのため観光船を利用したという。2016年と比べ9000人増えたということだ(ロイター)。

 釧路と違い、羅臼の場合は捕鯨が盛んだったことはなく、経済を支えていたのは長らく漁業だったという。しかし漁業資源の減少が地域を襲った。人口は毎年数百人規模で減少し、今年は5000人を下回っている。そんな過疎地で気候も厳しい地域では、成長し得るビジネスはホエールウォッチングだとロイターは述べ、漁業からホエールウォッチング観光船へ鞍替えする漁民の話を紹介している。

 知床羅臼町観光協会によれば、観光船ビジネスの65%はホエールウォッチングから来ている。数種類のクジラがたくさん集まるのは羅臼ならではの光景で、貴重な観光資源だという。観光客の多くは地元で宿泊し、レストランや土産物店を利用してお金を落としていくということで、この人気が今後も続くことを観光協会は期待している(ロイター)。

Text by 山川 真智子