「意識変えてくれた」日本支援のジャカルタ地下鉄、市民の新たな文化に

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◆控えめ日本の成果実る インフラ輸出の起爆剤となるか?
 ジャカルタ・ポスト紙のコーネリアス・プルバ氏は、市民はMRT開業に沸き、政治家も建設の手柄の取り合いに忙しいが、だれも日本が果たした役割に注目せず、自らの技術と経営のやり方を日本が移転してくれたことをほとんど気にしていないと述べる。金を返すからいいだろうという単なるビジネス案件と捉えているのだろうが、開業式典でジョコ大統領から日本の果たした役割への感謝のしるしが示されてもよかったはずだとしている。式典には日本の関係者も参加していたが、注目を避け裏方に徹しようとしていたようで、少しばかり自慢することもできたはずだと残念そうだ。

 同氏は、4年前にジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道の建設計画をライバル中国に渡したインドネシアに対して日本は怒り失望したが、今回のMRTの成功で日本はプライドを取り戻したと述べる。今後の日本の途上国へのハイテク交通機関輸出に弾みをつけることにもなるとしている。そしていつも控えめなのにもかかわらず、日本のMRTは大衆のハートを掴んだとし、MRT外交の効果がもたらされているとしている。

Text by 山川 真智子