「不平等」に反発、声を上げ始めた韓国女性 K-POP界にもアイコン誕生?

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◆アジアのメディアはカルチャー面の変化に注目
 美への抑圧は、若い女性が憧れるK-POP界からも広められる。『フェミニズム・イン・インディア』は、女性グループにのみ若さや性的魅力が求められているとし、業界が生み出してきた差別構造を批判的に論じた。たとえば、女性グループは男性グループより短命に終わるとして、デビュー時から年齢を揶揄されてきたRed Velvetのアイリーン(27)を挙げた。

 アイリーンを、若い女性のロールモデルと見るのがサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙だ。Red Velvetは、記号的なかわいらしさよりも、かっこよさや複雑さも強調してきた。アイリーンが、前述の『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んだと発言したため男性ファンが過剰反応して「炎上」したのは、このグループらしい一件だった。記事では、「(今回の件は)自分が成長できるいいプレッシャーになった」「『元気出して』とか『うまくいくよ』とか一般的なことではなく、(ファンの)話を慎重に聞いて共感したい」といった彼女の発言を引き、韓国初のフェミニストアイコンになるだろう、と述べた。

◆「最新の戦場」は性と生殖の権利に
 女性による運動はさらに活性化し、今年は盗撮の根絶を求める大規模なデモが行われ、警察・自治体は本腰を入れて対応することになった。この問題を取り上げた『VICE』は、根強い性差別、ダブルスタンダードが韓国の#MeToo運動を起こし、さらにこのデモに発展したと分析している。

                                                                                                                 

 続いて今夏、中絶禁止法撤廃を訴えるデモが行われ、ガーディアン紙はこれを韓国フェミニストの「最新の戦場」と報じた。今年はアイルランドが国民投票で中絶手術合法化を決めたこともあり、関心を寄せているようだ。

 キリスト教、儒教が根づく韓国では中絶への社会的圧力が強く、65年前の禁止法が形骸化していることが問題視されてきた。そして今年、中絶手術が「非道徳的」だとして厳罰化されると、産婦人科医団体が「非現実的」だと抗議、これに女性運動が結びついたのだ。結果、政府は厳罰化を保留した。

 手術に踏み切る女性は若年で経済的に余裕がないケースが多い。同紙は、違法なので手術費もリスクも高いことや、少子化ゆえ政府が解決に踏み切れないことなど、ゆがんだ実態も伝えている。

Text by 伊藤 春奈