ビヨンセにヒラリーまで! インド大富豪の超豪華結婚式

AP Photo / Rajanish Kakade

 インドの結婚式は大掛かりなことで有名で、何百何千ものゲストを招待するために多くの家庭が負債を抱え、プロによる歌と踊りのショーを準備する。

 インドの富豪にとって、結婚とは想像を絶する巨万の富を誇示する場だ。世界中からゲストがチャーター機で到着し、破格のギャラで雇われた有名人が特別出演する。2004年には、インドの鉄鋼王ラクシュミー・ミッタル氏が娘の婚約式をヴェルサイユ宮殿で執り行った。

 インドのメディアによると、ムンバイで執り行われた実際のアンバニ家の結婚式は、出席者600人程度と比較的小規模だった模様だ。結婚式後、さらに宴が続いた 。

                                                                                                                 

「アンティリア」と名付けられたムンバイにある27階建てのアンバニ邸は結婚を祝してライトアップされ、さながら夜の摩天楼のようだった。アンバニ家はゲストのために何百ものホテルの部屋を用意したといわれている。

 インドの新郎は馬に乗って結婚式に現れるのが伝統だが、アナンドさんは、マーチングバンドが列をなして演奏し、群衆に紛れたボディーガードたちが目を光らせるなか、クラシックのロールスロイスに乗ってアンバニ邸に到着した。

 ムンバイのアンバニ邸の近所に住むカシャップ・ソンプラさん(50)は、この過度な贅沢を疎ましくは思わないという。

「お金のない人だって、借金をして豪華な結婚式を挙げますからね。アンバニさんほど裕福な人なら、結婚式にいくらお金を使ってもおかしくないですよ」

 ムケシュ・アンバニ氏は、石油、化学、携帯電話などさまざまな事業を手掛ける複合企業リライアンス・インダストリーズの会長。ピラマル家は、製薬、不動産などの事業を手掛けている。

 ニューデリー在住の社会活動家アルチャナ・ダルミア氏によると、インドにおける冬の結婚シーズンの競争は激化の一途をたどっている。

「娘を嫁がせる費用を工面するために自殺する農家の人もいると聞きます」

 12月1日から2日間にわたってジョードプル市のウメイド・バワン宮殿で行われたインドの女優プリヤンカー・チョープラーとアメリカの歌手ニック・ジョナスの結婚式には、数多の有名人とともにナレンドラ・モディ首相も出席し、メディアにもてはやされたが、瞬く間にアンバニ家の結婚式の陰に隠れてしまった。

 豪華さばかりが注目されているインドの結婚式。かつては婚礼用のサリーを家宝として受け継いだが、今では廃れてしまったとダルミア氏は話す。

「今の世代は様変わりしています。プリヤンカー・チョープラーが婚礼用のサリーをまた着ることはないでしょうし、次の世代に受け継ぐこともないでしょう」

By EMILY SCHMALL, Associated Press
Translated by Naoko Nozawa

Text by AP