「なぜ児童婚が許されるのか」子供たちが立ち上がったノルウェー 18歳以上に法律改正

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◆ノルウェーでは児童婚が禁止に
 2014年にノルウェーの12歳の少女が意に反して37歳の男性と結婚させられる様子がブログで公開され世界中で話題を呼んだ。少女が子供時代を奪われていく結婚までの心情を書き込んだものだが、実は児童婚をなくそうとNGOが仕組んだ啓蒙活動の一部だった。その現実味を帯びた少女の悲しみが世界へ児童婚の残酷さへの認識を広めた。

 ノルウェーでは、16歳でも親の同意と県知事からの許可があれば結婚ができる。これに対し今年1月、ノルウェーの子供たち自身が政府へ結婚年齢を少なくとも18歳まで先延ばすように要求した。13歳から19歳までの女子と男子50人が『Marriage Busters(結婚撲滅人)』とプリントされたTシャツを着て子供の強制結婚への反対活動を行った。また、9,400人の子供たちがなぜ児童婚が許されるのか尋ねる手紙を県知事に送っている(Girls Not Brides)。こういった国民からの働きかけもあり、5月に児童婚禁止法が議会で承認された。

 デンマークでは同様の禁止法が昨年可決しており、これらの動きは今後他のヨーロッパの国にも影響を与えそうだ。

Text by 安藤麻矢