娘が父に結婚まで貞操を守ることを誓う「純潔の舞踏会」 米で広く行われる

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 ピュリティーボール(Purity Ball、純潔の舞踏会)はクリスチャン哲学をもとに、娘が結婚までの心身の純潔を父親と誓うための儀式である。1998年、アメリカのコロラド州で誕生したピュリティーボールはいまや48州で行われるまでに普及し、テレビ番組のドキュメンタリーも制作されている。世間離れし、また究極の親子愛で娘の処女を守る父親の姿を国内外のメディアが報じ、議論を呼んでいる。

◆純潔を誓う父と娘
 純潔のイメージのドレスを身にまとい、儀式が行われるパーティー部屋に飾られた十字架の元で父への永遠の愛を誓う娘。舞踏会場には何百を超える家族が集まり、父親と娘は純潔誓約書にお互いサインし、その様子は新郎新婦の結婚の誓いのように映る。父親だけでなく、家族全員が儀式に参加し、息子も処女性に賛成し結婚までの身体の純潔を誓うため、この儀式は娘に限ったことではない。

                                                                                                                 

 小学校に上がる前の子供から成人まで自主的にプリティーボールに参加し、父に婚前交渉をしない誓いを立てるといわれる。世間からはカルト的行為とみなされるが、儀式に参加する親子の写真に収めたデビッド・マグヌソン氏の見解は違う。マグヌソン氏は、父親が娘を守りたい気持ちはすべての男親に共通する心理であり、性の乱れに怒り狂った父親の姿とは違うものであると語る(英インデペンデント)。

◆否定的な見方も
 動画共有サイトにはピュリティボールについての動画が数多くあげられているが、それに対する視聴者のコメントは、「娘を見つめる父親の眼差しにゾッとする」「男性に愛されるのに父親との誓いは必要ない」などの否定的なものも多い。

 心から父への愛を誓う娘のなかにも、その誓いを破ってしまうこともある。ピュリティーボールで父親に結婚までの処女を誓った少女が恋に落ち妊娠したこともあり、その結果親から絶縁されたというケースもあるという。

 性行為の若年化、そして望まぬ妊娠など社会的問題は増加傾向にある。父親たちが純潔に重きを置くのは、自分が犯した離婚や失恋などの経験を娘にさせたくないという愛情からという。しかし、儀式に参加し純潔証明書に署名することが娘を異性から守るベストな方法なのかという疑問は残る。

Text by 安藤麻矢

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