フッ素なしの歯磨き粉、虫歯予防効果ないと専門家

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「これまで学び、正しいと信じて教えてきた原則に反しています」と新刊見本でこの研究を読み、結果の信用性を認めたニューヨーク大学教授で歯科医師のリチャード・ニーダーマン氏は述べる。「私にしてみれば、歯ブラシは口腔細菌の運搬手段に過ぎないと言っているようなものです」。

 フッ素の有用性は長年にわたり広く認められてきたため、この問題に関する研究は近年ほとんど行われなかった。今回の研究で、ワシントン大学の研究者は1950年以降の質の高い研究を探したが、発見したのはわずか3件だった。アメリカとイギリスで行われたその研究は、1977年から1981年にかけて発表されたもので、最長3年間デンタル・フロスと歯磨きを行った10~13歳の子ども合計743人を対象に実施された。

 この3件の研究全体を統計的に評価したところ、フッ素を用いない歯磨きやデンタル・フロスだけでは有意な虫歯の減少は見られなかった。

 歯磨き粉「クレスト」の製造元プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)でオーラル・ケア・ディレクターを務める歯科医師のJ・レスリー・ウィンストン氏によると、今回の研究は「重大な警告としての役割を果たしている」という。

 同氏は声明の中で、「大きな科学的根拠があるにもかかわらず、歯磨き粉はどれも同じだし、歯ブラシや歯間清掃器具で効果的に歯の清掃を行っていれば虫歯を予防できると信じている消費者が増加しています」と述べている。

 フッ素無配合歯磨き粉の市場シェアは非公開会社によって占められている。そのシェアは歯磨き粉市場全体の5%未満だが、推定成長率は毎年5%以上と業界筋は見積もっている。8月第2週、トムズ・オブ・メインのフッ素無配合歯磨き粉「アンチプラーク&ホワイトニング」が、アマゾンのオンライン購入プラットフォームの歯磨き粉部門売上第2位になった。

「当社が販売しているフッ素を配合していない製品は『虫歯予防』効果を謳っていません」と話すトムズ・オブ・メインのブランド・マネージャーを務めるポール・ジェッセン氏によると、同社の顧客はこのことを概ね理解しているという。

 しかし、アマゾンのカスタマーレビューには、同社のフッ素無配合歯磨き粉に虫歯予防効果があるという記述が散見される。あるカスタマーレビューは、「フッ素入りでなくても、定期的に歯磨きをすれば虫歯になるリスクは減る」と主張している。

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Text by AP

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