生ごみ、注射針、排泄物……汚れるサンフランシスコ 繁栄の陰で進行する問題

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 サンフランシスコは、坂道を走るケーブルカー、ゴールデンゲート・ブリッジなど、美しい景色で観光客を魅了してきた街だが、今深刻なゴミ問題に悩まされているという。ダウンタウンの歩道には、普通のゴミだけでなく注射針や人糞が至る所で見られ、公衆衛生上深刻な問題となっている。市はゴミ収集の予算を増やし対応しているが、背景にある問題を解決しない限り、ゴミ問題に終わりはないという指摘もある。

◆歩道に散らばるゴミ 衛生上の懸念広がる
 歩道を汚すゴミ問題に着目した地元のNBCベイエリアは、サンフランシスコのダウンタウンの153ブロックでゴミ調査を行った。これらの地域はユニオン・スクエアや主要なホテルなどがある観光客に人気の場所が含まれており、市庁舎、学校、警察などの施設もある街の中心地だ。3日間にわたる調査で取材チームが見つけたのは、紙くず、食べ物、がらくたを含んだごみの塊、さらに100本の使い捨てられた注射針、300以上の放置された人糞だったという。

 伝染病の専門家であるカリフォルニア大学バークレー校のリー・ライリー博士は、捨てられた注射針が誤って刺されば、HIV、B型肝炎、C型肝炎、その他のウイルス性疾患に感染してしまうと憂慮する。また、乾いた人糞からロタ・ウィルスなどの危険なウイルスが放出され、空気中を浮遊するウイルスを吸いこむことで感染してしまうとも指摘。サンフランシスコの一部の地域は、ブラジル、ケニア、インドなどのスラムよりも汚染されているとも述べている(NBC)。

Text by 山川 真智子