認知症の人との友情はお互いにとってメリットがいっぱい

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著:Janelle Taylorワシントン大学 Professor of Medical Anthropology)

 毎年、大晦日のあと数時間で新年という時になると、全米の多くの人々が友人同士で集い、ロバート・バーンズの名曲「オールド・ラング・ザイン」(「蛍の光」の原曲)を歌いながら祝杯を挙げる。皆が腕を組んで立ち新年を迎えるこの時、ふとこんな思いがよぎる。「昔馴染みに忘れ去られて2度と思い出されなかったら?」

 この質問はもちろん修辞学的なものに過ぎない。その答えは「いや、年月は過ぎ去っても、友情は続くのだ。」

                                                                                                                 

 ただし、友人の認知症発症に直面する多くの高齢者にとって、この質問には違った意味合いがある。米国だけで380万人にのぼると推定される人々を苦しめる認知症は、多くの場合、個人識別や人格に必要な基盤として理解される言語や記憶などの認識能力に影響を及ぼしている。

 認知症はそのようなものとして、人間の境界は何か、有意義な社会的関係をもつには何が必要なのか、さらに一般的には、何が生きがいのある(または生きがいが感じられない)生活にするのかといった疑問を我々に提起する。

 長年、研究は孤独感が認知症の発症に伴うことを示してきた。そして研究は社会的交流が認知症患者に効果があることを示唆している。

 私は最近、これらの発見からさらに一歩踏み込んだ研究を実施した。それによると、交流によって認知症患者ばかりでなく、その友人にも個人的成長の機会が与えられるらしい。

Text by The Conversation

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